「排便のとき、便器が真っ赤になるほど出血した」
ある日突然そんな経験をすると、頭をよぎるのは「これはまずいんじゃないか」という不安だと思います。
私も、まさにそうでした。
この記事は、30代の会社員である私が、排便時の出血をきっかけに人生で初めて大腸内視鏡検査を受けた、その一部始終の体験記です。
検査を控えている方、受けるかどうか迷っている方が気になるであろうことを、できる限り正直に、具体的に書きました。
たとえば、こんな疑問に答えています。
- 検査は痛いのか(結論から言うと、私は痛みをまったく感じませんでした)
- 当日はどんな流れで、何時間かかるのか
- 噂の「下剤」は、実際どれくらいつらいのか
- 検査日まで「がんかもしれない」という不安と、どう向き合ったか
- どんな格好で、どんな部屋で検査を受けるのか
- 費用はいくらかかったのか
さらに私の場合、1回目の検査が「残渣(腸内の便の残り)が多すぎる」という理由で失敗し、やり直しになるというおまけ付きでした。
その原因と、2回目で改善したことも詳しく書いています。
先に結論だけ言っておくと、私の大腸は健康そのもので、出血の原因は内痔核(いぼ痔)でした。
その点は安心して読み進めてください。
なお、この記事には出血や排便に関する描写が、体験に基づいてそのまま書かれています。
こうした表現が苦手な方は、無理をなさらないようご注意ください。
そして、この記事はあくまで私個人の体験を記録したものであり、医学的なアドバイスではありません。
気になる症状がある方は、自己判断せず、できるだけ早めに医療機関を受診してください。
それでは、本編に入ります。
- 年末の出血から受診まで|30代男が病院に行くのを2ヶ月先延ばしにした話
- 初診で大腸内視鏡を勧められた|「痔じゃないかも」と言われた時の頭の中
- 検査日まで2週間|「直腸がんかも」という不安とどう向き合ったか
- 検査の流れを時系列で全部書く|予約から結果説明まで
- 検査前々日〜前日の食事制限|実際に何を食べて何が辛かったか
- 検査当日の下剤2リットル|30代男がどこで心が折れかけたか
- クリニックでの検査環境|どんな部屋で、どんな格好で受けるのか
- 検査本番の痛みの有無|30代男が実際に感じたリアル
- 1回目は残渣で再検査になった話|原因と2回目で改善したこと
- 検査結果|大腸は健康。出血の正体は内痔核(いぼ痔)だった
- 大腸内視鏡を受けて変わったこと|30代男の生活アップデート
年末の出血から受診まで|30代男が病院に行くのを2ヶ月先延ばしにした話
最初に出血したのは、12月30日の夜でした。
友人を自宅に招いて日中を過ごし、解散したあとの夜。
便意を感じてトイレに向かったところから、この体験記は始まります。
そのときは「明日は大晦日か」とのんきに考えていて、まさかこの出血が、年をまたいで大腸内視鏡検査まで続く長い話の入り口になるとは思っていませんでした。
便器の水が真っ赤になった
排便しようとしても、なかなか出てきませんでした。
違和感はありましたが、「便が固いせいだろう」と考えて、長い時間をかけて何とか排便しました。
そのときは強い痛みを伴っていて、太ももは震え、冷や汗もかいていたのを覚えています。
用を足したあと、何気なく便器の中をのぞくと、水が真っ赤に染まっていました。
しかも腰を上げた時点でも出血は止まっておらず、太ももを血が伝って、便座の上まで血だらけになっていました。
鮮血で、量が多いため便器の水で薄まることもありません。
それでもこのときの私は、命の危険までは感じていませんでした。
子供の頃から排便時に軽い出血をすることはよくあったので、「今回はそれが特にひどかっただけだろう」「痔か何かだろう」と考えていたのです。
今思えば、この油断が受診を2ヶ月も遅らせることになりました。
年末年始という最悪のタイミング
出血した翌日は大晦日。
地元近くの病院を調べてはみたものの、年末年始で予約を取るのは難しそうでした。
急患というほど切迫している自覚もなく、自分の中では「命にかかわる話ではない、痔か何かだろう」という見立てが勝っていたので、「年始以降も状態が悪ければ病院に行こう」と先送りにしてしまいました。
出血そのものは、その後も排便のたびに少し続き、おさまるまで1週間ほどかかりました。
やがて排便時の痛みがなくなり、出血も止まったことで、私は「治った」と判断しました。
一時的なものだったのだろう、と。
症状が消えると、不安も一緒に消えていく
正直に書くと、ここに落とし穴がありました。
自覚症状が重かった時期がちょうど年末年始に重なったことで、病院に行く気力がそもそも湧きにくかった。
そして症状がおさまると、途端に意識から外れていくものなのです。
気づけば仕事に没頭していて、あの出血のことは頭の片隅に追いやられていました。
ただ、この1回目の出血のあと、病院を探そうとネットで検索したときに、私はあるものを目にしてしまいます。
血便は、大腸ポリープや癌の可能性があるという情報です。
一度それが目に入ると、やはり気になってしまう。
自分の症状が大腸ポリープに当てはまらないか調べたり、癌の進行度による危険性を調べたり――調べれば調べるほど、不安だけが大きくなっていきました。
それでも症状がおさまっている以上、行動には移しませんでした。
2月、まったく同じ出血が再発する
2月19日(木)の夜。
排便のしづらさを感じた瞬間に、「あ、またこれだ」と思いました。
そう思ったときには、すでに出血が始まっていました。
量も見た目も、12月とほぼ同じ。鮮血で、便器が赤く染まる出血です。
ただ違ったのは、痛みが前回より強かったこと。
そして拭いたときに、肛門付近が大きく腫れ上がっているのに気づいたことです。
トイレを出たあとも、ズクズクとした感覚が長く続きました。
このときに、ようやく腹をくくりました。
たった1ヶ月と少しの間隔で、このレベルの出血がまた起きた。
「この先、月に一度のペースでこんな目に遭う人生は耐えられない」――そう思ったのが、病院に行く決め手でした。
自覚症状からすれば痔の可能性が一番高いと思いつつ、医学に詳しいわけではないので、最悪の場合は癌化した大腸ポリープなのかもしれないという不安もありました。
鮮血なので、特に直腸に近い部分の異常を疑っていました。
痔と出血について書かれたネットの記事は、その多くがポリープの可能性にも触れているので、調べるほど嫌でも想像が膨らんでしまうのです。
大腸内視鏡までできるクリニックを選んだ
クリニックは「排便 出血 ◯◯(住んでいるエリア名)」で検索して探しました。
痔の可能性が高いと思いつつ、ポリープや癌の可能性も相当に考えていたので、「もし必要になったら大腸内視鏡検査まで受けられるクリニック」という基準で選びました。
胃と大腸肛門科を掲げているクリニックなら、痔の診察も内視鏡検査も一箇所で完結できると考えたからです。
幸いネット予約に対応していて、出血した2月19日から4日後、2月23日(祝・月)に空きがあったので、すぐに予約を入れました。
なお、原因が判明するまでは、実家の両親や兄弟には何も話さないと決めていました。
特に両親は私以上に心配性で、ネットで癌の可能性に触れた記事を見つけようものなら、負のサイクルに入ってしまうことが目に見えていたからです。
まずは自分一人で受診して、はっきりさせてから――そう考えていました。
初診で大腸内視鏡を勧められた|「痔じゃないかも」と言われた時の頭の中
2月23日、予約していたクリニックに向かいました。
待合室には5〜6組ほどが待っていて、自分の名前が呼ばれるまで、少しドキドキしながら順番を待っていました。
Web予約のときに簡単な症状は伝えていましたが、改めて問診票に詳しい症状を記入します。
そのクリニックの先生が大腸癌・ポリープ・痔のプロだということは事前に調べて知っていたので、私の方針は「余計なことは言わず、すべてお任せしよう」というものでした。
初診の診察|実際に何をされたのか
名前を呼ばれて診察室に入ると、症状について質問を受けたので、これまで書いてきたような出血の経緯を端的に答えました。
そのあと、実際の診察に入ります。
ここは検査前の読者が気になる部分だと思うので、書ける範囲で具体的に残しておきます。
案内されたのは、診察台に左向きで横になり、ひざを曲げて抱え込む姿勢でした。
まず先生が触診で肛門の付近や内部に触れ、鋭い痛みがないかを確認します。
そのあと、視診用の筒のような器具を入れて、さらに中を見てくれました。
痛みについては、触診の時点では鋭い痛みはなく、内部に触れられたときに鈍い痛みがある程度でした。羞恥心に関しては、正直あまり感じませんでした。
早く治したいという気持ちが強かったことに加えて、先生やスタッフの方々からすれば自分はただの患者の一人にすぎないと思えたので、恥ずかしさは気になりませんでした。
先生は淡々と、てきぱきと話す方で、個人的には非常に相性が良いと感じました。
「痔がある」とは言われなかった
診察のあいだ、先生の口から「明らかな痔がある」という言葉は出ませんでした。
代わりに「かなり出血はしているね」というコメントがあり、診察台を降りて本格的に話に入ると、最初に言われたのがこの一言でした。
「内視鏡検査を受けたほうが良いと思うよ」
ある程度この可能性は事前に考えていたので、戸惑いはありませんでした。
ただ正直に書くと、少し落胆もしました。
私の中では「わかりやすい痔が見つかる」のが一番楽なルートだと思っていたからです。
そうならなかったということは、出血の原因がまだ特定できていない、ということでもあります。
こちらがある程度の知識を持って臨んでいたのが伝わったのか、検査そのものについての説明はほとんどなく、「できればやっておいたほうが良い」と、最終的な判断をこちらに委ねる形でした。
私は即決しました。
もともと根本原因を明らかにして治すつもりで来ていたので、必要なら検査を受ける覚悟はできていたからです。
検査費用と日程|実際にかかったお金
先生の診察を終えたあとは、別室でスタッフの方から検査の説明を受けました。
費用について、覚えている範囲で具体的に書いておきます。
これから検査を受ける方が一番気にする情報だと思うので。
説明では、検査自体の保険適用後の実費は1万円かからないくらい。
もし検査中にポリープが見つかって切除などの処置をした場合は、3万円ほどになるとのことでした。
※費用は保険の負担割合や処置の内容によって変わるので、あくまで私のケースの目安として参考にしてください。
検査日は、できる限り最短の日取りで調整してもらいましたが、すでに予約が埋まっていたため、少し先の3月12日(木)になりました。
食事制限と下剤の事前説明
このタイミングで、検査に向けた準備の説明も受けました。
ざっくりまとめると、2日前から食事制限を始め、前日は検査食のみを食べること。
そして前日の夜に下剤を飲んでおく、という手順です。
当日の下剤については、自宅で飲んでからクリニックに来る選択肢もあると言われました。
ただ、自宅からクリニックまでは電車で30分ほどかかります。
下剤が効いている最中に電車に乗って、途中で便意を催すわけにはいきません。
そう考えて、私は当日の朝にクリニックへ到着し、現地で下剤を飲む方針を選びました。
(このときはまだ、この下剤が思った以上の難関になるとは知る由もありませんでした。詳しくは後のセクションで書きます。)
不安を抱えたまま帰宅した
クリニックを出たときの気持ちは、正直、重いものでした。
出血の原因が判明したわけではなく、むしろ「痔だった」という一番軽いパターンの可能性が薄れたことで、気落ちしながら帰路につくことになりました。
帰り道も帰宅後も、頭の中ではポリープや癌の可能性が膨らんでいきます。
出血自体は昔からよくしていたので、「もしかしたら、取り返しのつかない状態まで悪化しているんじゃないか」「検査まで2週間以上あるけれど、その間にさらに進行するんじゃないか」――そんな考えにとらわれて、またネットでいろいろな情報を調べてしまいました。
家族には、この時点でもまだ話していません。
原因が判明するどころか、むしろ不安材料が増えてしまったので、検査結果が出るまでは伏せておくことにしました。
検査日まで2週間|「直腸がんかも」という不安とどう向き合ったか
初診から検査日まで、2週間以上の空きがありました。
この期間が、正直、一番きつかったかもしれません。
検査さえ受ければ白黒つくのに、その検査までただ待つしかない。
この「待つ時間」に何を考え、どう折り合いをつけたかを、同じ立場の方のために正直に書いておきます。
不安が押し寄せるのは、決まって風呂の時間だった
意外なことに、仕事や趣味に時間を使っているあいだは平気でした。
一番不安が募りやすかったのは、お風呂の時間です。
手も頭も空いているので、自然といろいろなことを考えてしまうのです。
そこで広がるのは、たいてい最悪のシナリオでした。
もし癌だったら、今から残りの時間の使い方を考えるべきなんじゃないか。
今進めている仕事のプロジェクトに、自分はどこまで関われるんだろう。
家族には、どう伝えたら一番悲しませずに済むだろうか――。
湯船の中で、そんなことばかり考えていました。
それでも日中は、むしろ集中力が増していた
ただ、これも正直に書くと、生活全体へのネガティブな影響は意外と少なかったのです。
睡眠も食欲も大きくは乱れず、日中は基本的にポジティブに考えられていました。
「どんな結果だろうと、今回検査を受けたこと自体は良かったと思えるはずだ」と。
むしろ、万が一残された時間が限られているなら、中途半端な仕事こそ後悔を生む。
そう考えたことで、仕事への集中力はかえって増していたくらいです。
我ながら極端ですが、不安をエネルギーに変換していた感覚に近いかもしれません。
調べるほど詳しくなり、不安と安心を行き来した
不安なときの行動として、やはりネット検索は止められませんでした。
「血便 大腸 ポリープ」「直腸がん 進行度 自覚症状」など、思いつくたびに調べました。
AIツールにも日々の症状を伝えて、考えられる状態や取るべき行動を整理する壁打ち相手になってもらいました。
おかげで、癌や良性・悪性ポリープの形状、それができるまでの過程など、やたらと詳しくなってしまいました。
調べた中で不安が増したのは、大腸がんは自覚症状がないまま進行しやすいという情報です。
これを知ってから、自分の体の中で想像以上に悪い状態が広がっているのではないか、という想像が膨らみやすくなりました。
逆に、少し安心できたこともあります。
大腸がんやポリープは、早期に対処できれば治療できる可能性が高いと知れたこと。
そして、出血時に痛みがあること、鮮血であることから、「これは腸の奥ではなく、直腸から肛門に近い部分の症状なんだろう」と自分なりに状況を整理できたことです。
あえて「調べ切る」という選択
「これ以上調べないほうがいい」という意見もよく目にします。
自分の症状が癌の自覚症状と一致するかを照らし合わせる作業は、不安からやりたくなるものの、結局あまり意味がありません。
ただ、私の場合は少し違いました。
私は性格上、パターンごとにどんな未来が待っているのかが分からないほうがストレスになります。
そこで、勉強も兼ねて満足するまで調べ切ることにしました。
確度の高い情報が欲しかったので、参照先は医療サイトを中心にしました。
自分なりに到達した、心の整理の仕方
最終的に、私はこう自分に言い聞かせるようになりました。
決着は検査でしか決まらないし、それまで自分の状態を変えることはできない。
だとすれば、いま一番避けるべきなのは、不安によって生活や仕事の質が下がることだ――。
気になることを一通り調べ切るたびに、「調べても状態が変わるわけじゃない、なるようにしかならない」と繰り返していました。
それはそれとして、知りたいと思ったことは調べ切って自分を納得させる。
これらを両立することでメンタルを保つことができました。
「軽い雑談として話す」ことに救われた
家族には、結果が出るまで話さないと決めていました。
ただ、孤独感はほとんどありませんでした。
出血した日のことを話していた友人や会社の同僚に、内視鏡検査を受けることになったと雑談として伝えていたからです。
すると、知り合いが同じように検査を受けてポリープを切除した話を共有してくれたり、「きっと大したことないよ」と元気づけてもらえたりしました。
これが本当にありがたかったです。
一人で抱え込むことについて、今振り返って思うことがあります。
私は割り切る考え方が好きなほうなので深刻にはなりませんでしたが、一人で考え続けると、基本的にネガティブな予測と情報検索を繰り返して、負のスパイラルに入りやすいのだと思います。
深刻な話として他人を巻き込むのは憚られますが、軽い雑談くらいの温度感で周りに話してみたことは、当時のメンタルを救ってくれた部分でした。
同じように検査を待つ人へ
振り返ってみれば、私は深刻なケースばかりに想像を巡らせて、調べすぎていたと思います。
それでも、あの不安は当然のものだったとも思います。
だから「不安になるな」とは言いません。
ただ、もし「不安から情報を調べて、さらに落ち込む」という負のスパイラルに入りやすい自覚がある方は、一度手を止めて、自分をポジティブに保てる考え方を巡らせてみてもいいかもしれません。
調べても検査結果が変わるわけではないこと。
そして、いま検査を受けると決断したことは、どんな未来であっても「あのとき検査してよかった」と思えるはずだということ。
待つ時間は確かにつらいですが、その決断自体は、間違いなく前に進む一歩です。
検査の流れを時系列で全部書く|予約から結果説明まで
ここでは、大腸内視鏡検査の一日を時系列で一望できるように、流れだけをまとめておきます。
食事制限・下剤・検査中の様子・痛みといった各パートの詳細は、このあとのセクションでそれぞれ深掘りします。まずは「検査を受けるとはどういう一日になるのか」の全体像を掴んでください。
なお、これから書くのは1回目の検査の流れです。
私はこのあと検査をやり直すことになるのですが、その経緯は後のセクションで詳しく書きます。
検査が決まってから前日まで
準備は、思っていたよりシンプルでした。
最初の診察日に検査の説明を受けた際、クリニックで用意されている検査食(1日分)をその場で購入し、下剤も同時に受け取り、日程調整まで一度に完了しました。
検査食や下剤を自分であちこち探して買う必要がなかったのは、地味にありがたいポイントでした。
会社員として調整が必要だったのは、主に2点です。
当日は朝9時にはクリニックに到着している必要があること。
そして前日の夜20時には下剤を飲み始めなければならないこと。
このため前日は18時に仕事を切り上げ、検査当日は丸一日、有給休暇を取りました。
検査のために有休が1日必要になる、というのは会社員にとって重要な情報だと思います。
検査当日の朝|起床から出発まで
当日は朝6時ごろに起きて、まず排便を済ませました。
食事は取れないので、口にできるのは水だけです。
体調は特に悪くなく、いつも通りでした。
ひとつ準備したのは、下剤と一緒に飲む水です。
これは持参する必要があったので、最寄り駅のコンビニで1リットルの水を購入してから向かいました。
それともうひとつ。
検査は15時開始予定だったため、9時に着いてから6時間ほどクリニックで過ごすことになります。
この待ち時間をつぶすために、スマホのモバイルバッテリーと本を2冊持っていきました。
これは正解でした。
検査までの時間は、思った以上に長かったのです。
クリニック到着〜検査まで(約6時間)
9時に到着すると、まず血圧を測り、用意された個室に案内されました。
ここから検査までは、下剤を少しずつ飲んでは排便を繰り返す時間です。
案内されたペースは、3時間ほどかけて12時くらいを目安に下剤を飲み切る、というもの。
この下剤がなかなかの難関だったのですが、詳細は後のセクションに譲ります。
そして15時ごろ、予定通り更衣室に案内され、検査着に着替えて検査室へ向かいました。
検査本体(鎮静剤あり)
検査室の前では、まずストレッチャーに横になり、点滴などの準備をして15分ほど待機しました。
私は鎮静剤ありを選んでいたので、検査が始まってからの記憶はほとんどありません。
気づいたら終わっていた、という感覚です。
検査自体の所要時間は、一般的には15〜30分ほどとされているので、おそらくそのくらいだったのだと思います。
鎮静剤を使うかどうかは検査の体感を大きく左右する部分なので、痛みの話とあわせて後のセクションで詳しく書きます。
検査後〜結果説明〜帰宅
検査後は、意識がはっきりするまで10分ほど休みました。
そして、その日のうちに結果の説明を受けました。
ここで先に結論だけ書いておくと、私の1回目の検査は「検査失敗のため、やり直し」という結果でした。
何が起きたのかは、専用のセクションで詳しく説明します。
帰宅については、検査が終わってからトータルで1時間ほどで出られました。
付き添いは頼まず、一人で帰宅しています。
鎮静剤の影響で多少ぼんやりしてはいましたが、電車で帰るのに問題はありませんでした。
一日のタイムライン(まとめ)
1回目の検査当日を、ざっくり時系列でまとめるとこうなります。
- 6:00 起床・排便・水のみ
- 9:00 クリニック到着、血圧測定、個室へ
- 9:00〜12:00 下剤を少しずつ飲み、排便を繰り返す
- 15:00 検査着に着替え、検査開始
- 〜15:30頃 検査終了(鎮静剤で記憶なし)
- その後 10分ほど休憩、結果説明(=やり直しの判明)
- 17:00頃 帰宅
朝に家を出てから帰宅まで、ほぼ丸一日がかりです。
大腸内視鏡は「半日で気軽に」というより、一日がかりのイベントだと思っておいたほうがいい、というのが受けてみての実感でした。
検査前々日〜前日の食事制限|実際に何を食べて何が辛かったか
大腸内視鏡検査では、検査の数日前から食事制限が始まります。
腸の中をきれいにして観察しやすくするための準備で、ここをいい加減にすると、後述する私のように検査がやり直しになることもあります(その話は専用のセクションで詳しく書きます)。
ここでは、私が実際に何を食べ、何が辛かったかを具体的に残しておきます。
食事制限は検査2日前の朝から
私の場合、検査は3月12日。
食事制限は、その2日前にあたる3月10日の朝食からスタートしました。
クリニックからは、食べてよいものとNGなものをまとめた表をもらっていたので、それを参考にしました。
覚えている範囲で挙げると、こんな基準です。
食べてよいものは、消化しやすいものが中心でした。
バナナ、プレーンヨーグルト、素うどん、卵焼き、具なしの味噌汁やスープ、豆腐、ゼリー、クラッカーなど。
逆にNGだったのは、種のある果物や野菜、きのこ類、海藻類、そば、ラーメン、揚げ物、乳製品、そして繊維の多い食べ物全般です。
腸に残りやすいもの、消化に時間がかかるものは一通りダメ、というイメージでした。
前々日(3/10)に実際に食べたもの
この日に食べたものは、こんな内容でした。
朝は卵がゆ、バナナ、ヨーグルトなど。昼も似たようなもの。
夜は素うどんに豆腐を乗せたものです。
正直に書くと、私はこの食事制限自体はあまり苦になりませんでした。
クリニックから指定された開始日は3月10日でしたが、2回目の出血があってからは、自主的に食事内容を大きく変えていたからです。
2週間ほど、素うどんやおかゆ中心の生活を送っていたので、いまさら制限が始まっても特別変わった感じはありませんでした。
仕事をしながらの食事制限は、地味につらい
ただ、仕事をしながらの食事制限には、別の難しさがありました。
どうしても食事が低カロリーになりがちで、なかなかテンションが上がらないのです。
普段の昼はパスタを茹でたり、コンビニで菓子パンを買ったりしていたのですが、それが封じられると、ささやかながら結構つらいものがありました。
味や満足感のある食事が、いかに日々の活力になっていたかを実感しました。
前日の検査食|中身と正直な感想
前日(3月11日)は、クリニックで購入した検査食のみを食べる日です。
中身は朝・昼・夜の3食分でした。
朝はおかゆ。
昼は消化に特化した肉じゃがとおかゆ。
夜はビーフシチューとクラッカー。
クラッカー以外は、袋のまま鍋に入れて温めるレトルトタイプでした。
味について正直に書くと、お世辞にもおいしいとは言えず、量も少なめです。
ただ、ずっと空腹だったので、少し味がするだけでも嬉しく感じました。
特に夜のビーフシチューは、ようやく人並みの食事をしている気分になれて、ありがたかったです。
なお、検査食以外で口にしてよかったのは水だけでした。
前日夜の下剤|事前情報と違って困惑した
前日の夜20時には、最初の下剤を飲みます。
私が飲んだのは、マグコロールという粉状の下剤50グラムと、ラキソベロンという錠剤2錠でした。
ここで、ちょっと予想外のことが起きました。
お腹からゴロゴロという音が何度も鳴り、下腹部が重たい感覚はあったものの、トイレに駆け込むようなことが起きなかったのです。
事前に調べていた「夜中に何度もトイレに行く」という情報とは違ったので、少し困惑しました。
このときは「人によるのかな」くらいに思っていたのですが――後から振り返ると、ここで下剤がしっかり効いていなかったことが、翌日の検査やり直しに繋がっていたのかもしれません。
この話は、後のセクションで詳しく書きます。
食事制限で一番つらかったこと
総じて、一番つらかったのは「常に空腹感が残ること」、そして「味の薄いものばかりで食の楽しみが少ないこと」でした。
お腹いっぱい食べられない状態が数日続くので、食事という日々の小さな楽しみが奪われるのは、地味に効いてきます。
最後に、これから検査を受ける方へ。
私の食べたメニューはあくまで一例で、おそらくもっと楽な、満足感のある食材の選び方もあるはずです。
クリニックによってルールも変わるかもしれないので、ご自身で調べたり、病院のスタッフさんに相談してみると、もう少し快適に乗り切れるかもしれません。
検査当日の下剤2リットル|30代男がどこで心が折れかけたか
大腸内視鏡検査で多くの人が一番身構えるのが、この下剤だと思います。
私もまさにそうでした。
そして結論から言うと、この下剤は私にとって、検査本体よりもよほど大きな山場になりました。
ここではその一部始終を、味や心理状態まで含めて正直に書いておきます。
当日の下剤「モビプレップ」とは
当日クリニックで飲んだのは、モビプレップという液体の下剤でした。
前日夜に飲んだ粉状のマグコロールとは別物です。
個室には、持参した1リットルのペットボトルと同じくらいのサイズの容器に入った状態で、すでに用意されていました。
量は、下剤そのものが約1リットル。
これに加えて、持参した水を1リットル。
合計2リットルを飲み切るイメージです。
飲み方には決まったペースがありました。
15分刻みで、モビプレップをコップ一杯、また15分後にもう一杯、3回目は水をコップ一杯――というローテーションです。
この45分のサイクルを繰り返すと、だいたい11〜12時頃に全部飲み切れる計算でした。
そして飲むたびに、飲んだ時刻、直前の15分で排便があったか、あった場合はどのくらい残渣が残っていたかをメモしていきます。
一口目はポカリ、でもだんだん匂いがきつくなる
意外なことに、一口目の印象は悪くありませんでした。
甘じょっぱくて、ポカリスエットのような味です。
最初は比較的おいしく感じながら飲めました。
ただ、これが続きません。
飲み進めるごとに「おいしい」という感覚は薄れ、だんだん匂いがきつく感じられ、気持ち悪さも覚えるようになっていきました。
心が折れかけたのは、モビプレップを半分ほど飲み干して折り返したあたりからです。
次にモビプレップを飲む「15分経過後」がやってくるのが憂鬱で、逆に水を飲んでいい回が来ると、心底ほっとしました。
同じ「飲む」でも、水の回のありがたさは格別でした。
飲み始めて20〜30分で、もう便意
体の反応は早く、最初のモビプレップから20〜30分ほどで、もう便意がやってきました。
そこからは、だいたい30分に1回くらいのペースで排便が続きます。
個室には専用のトイレが付いていたので、便意が押し寄せるたびに、何度もトイレと往復しました。
本来であれば、排便を繰り返すうちに残渣が減っていき、最終的には透明な黄色い水だけが出る状態になるはずです。
ところが――私の場合、これがなかなか進みませんでした。
「これで検査して大丈夫なのか」という不安
飲んでも飲んでも、排便のたびに必ず便が混じっているのです。
検査の準備が整ったとされる「水だけが出てくる状態」に、私は結局、最後までなりませんでした。
後半になると、排便したらトイレの水を自分で流さず、スタッフに状態を確認してもらってから流すようになりました。
個室には専用の呼び出しベルがあり、排便のたびに呼んでチェックしてもらう仕組みです。
そのたびに「まだ残っているね」と言われる感覚は、焦りを募らせました。
カメラで腸の中をくまなく観察し、所見を見逃さないためには、腸内をきれいにしておく必要があります。
それは私も理解していたので、「このままでは検査がうまくいかないんじゃないか」という不安が膨らんでいきました。
スタッフにも相談し、水を増やしたり、体を動かしたりして、何とか状況を変えようと試みました。
下剤を少しでも楽に飲むコツ
つらい下剤を乗り切るために、私が意識したことを書いておきます。
ポイントは、味や匂いを感じる時間をできるだけ短くすることです。
口の中にモビプレップがとどまる時間が長いほど気持ち悪くなりやすいので、コップ一杯分を一気に流し込むようにしました。
匂いも、できるだけ息を止めて飲むことで、軽減できた気がします。
一番つらかったのは、気持ち悪さに耐えてモビプレップを飲み切ったにもかかわらず、それでも残渣が出続けたことです。
「ここまでやっても検査がうまくいかないんじゃないか」という不安に、ずっと襲われ続けていました。
ひとつだけ、これから受ける方に伝えておきたいことがあります。
下剤自体はだんだん飽きてつらくなるので、味や匂いを意識しないようにするのがおすすめです。
ただ、私のように残渣が残り続けるのは、決して誰もが通る道ではありません。
後で触れる前日の下剤の飲み方や、個人の体質によるところが大きいので、過度に不安に感じる必要はないと思います。
飲み切ってから検査までの待ち時間
下剤を飲み切ってから検査(15時)までの空き時間は、けっこうな長さがありました。
便意が来ない合間には、仕事のチャットを確認したり、YouTubeで動画を見たり、持参した本を読んだりして過ごしました。
そして下剤を飲み切ったあとも、私はまだ残渣を出し切ろうと、追加の水を多めに飲んだり、体を動かしたりしていました。
この時点では、まさかこのあと「やり直し」を告げられるとは、まだ半信半疑だったのですが――その話は、このあとのセクションで書きます。
クリニックでの検査環境|どんな部屋で、どんな格好で受けるのか
大腸内視鏡で、検査そのものと同じくらい気になるのが「どんな格好で、どんな場所で受けるのか」だと思います。
お尻を見られるんじゃないか、恥ずかしくないのか――。私も受ける前は少し気になっていました。
結論から言うと、ここはほとんど心配いりませんでした。
その理由も含めて、実際の様子を書いておきます。
検査着は「お尻に穴の開いた」専用タイプ
15時ごろ、更衣室に案内されて検査着に着替えました。
検査着の見た目は、上下に分かれた、よくある検査着です。
ただ特徴的なのは、お尻の部分に穴が開いていること。
これを履いたまま検査ができる仕組みになっていました。
脱ぐ範囲は、下は全部脱いで、上は下着までは着たままでよかったと記憶しています。
更衣室は共用でしたが、このときは他に人もいなかったので、気にせず着替えられました。
検査着に袖を通すと、「いよいよだな」という感覚が一気に強まったのを覚えています。
検査室は手術室のような雰囲気
検査室は、手術室のような雰囲気の空間でした。
ただ、部屋の真ん中ではなく、端のほうで検査を受ける配置です。
目の前には、内視鏡カメラの映像が映ると思われるモニターが置かれていました。
スタッフは全部で5〜6人ほど。
全員が自分の検査につきっきり、という雰囲気ではなく、それぞれが検査室の中で別々の作業をしている様子でした。
室温は適温で、寒いということはありませんでした。
周りのスタッフの方々も、こちらの緊張を感じ取ってか、和やかに話しかけてくれて、検査開始を気楽に待つことができました。
この雰囲気づくりは、地味にありがたかったです。
体勢と露出|実際のところ
検査台での体勢は、初診の診察のときと同じく、横向きで膝を抱える姿勢でした。
お尻まわりの露出について気になる方が多いと思いますが、ここは正直に書くと「自分では何も分からなかった」というのが答えです。
鎮静剤が効いてから検査が始まるので、露出している間の記憶がそもそもありません。
それに、ここまで何度も検査でお尻を出すことには慣れ切っていたので、特に気になりませんでした。
恥ずかしさより、緊張のほうが強かった
意外だったのは、羞恥心はほとんどなかった一方で、緊張はかなりした、ということです。
理由は、大人になってから点滴を受けるような検査自体が初めてだったこと。
そして、ストレッチャーの上で検査を待つという経験もほぼ初めてだったことです。
自分でも分かるくらい身構えていたようで、周りのスタッフの方も、それまでと会話のトーンが変わったのを感じ取って、少し笑っていたほどでした。
ただ、怖さのようなものは特にありませんでした。
麻酔でよくある「数を数えてください」のような変わったやり取りもなく、点滴から鎮静剤が入ると、自然に意識が遠のいていきました。
気づいたら、検査は終わっていました。
これから受ける人へ|服装と持ち物のアドバイス
最後に、検査環境まわりで「知っておくとよい」と思ったことを書いておきます。
まず、私の場合はアクセサリー類を外すことになったので、あまり身につけていかないほうがスムーズだと感じました。
メガネも検査の際には外すことになったので、視力の悪い方は、そのつもりでいると慌てずに済むかもしれません。
このあたりは病院やクリニックによって違いがあるかもしれませんが、ひとつの参考になればと思います。
羞恥心が不安な方へ、ひとつだけ。病院のスタッフ側からすれば、こちらはたくさんいる患者の一人にすぎません。
見られることへの恥ずかしさは、本当に気にしなくて大丈夫です。
むしろ、検査を確実に受けるために、淡々と構えているくらいがちょうどいいと思います。
検査本番の痛みの有無|30代男が実際に感じたリアル
おそらく、この記事にたどり着いた方が一番知りたいのは、ここだと思います。
「大腸内視鏡って、結局痛いの?」
先に結論を書きます。
私は鎮静剤ありで受けたので、検査中の痛みはまったく感じませんでした。
本当に、気づいたら終わっていた、という体験でした。
以下、その詳細を正直に書いていきます。
鎮静剤あり/なしは自分で選べた
まず、鎮静剤を使うかどうかは、自分で選べました。
私が選んだのは、初診後に検査日を決めるタイミングです。
鎮静剤ありを選んだ理由はシンプルで、検査では腸に空気を入れて膨らませたり、カメラが肛門から入ってくる違和感があったりすると聞いていたので、それを感じないほうが楽そうだと思ったからです。
費用は、鎮静剤の分が追加でかかったはずです(具体的な金額は覚えていません)。
検査前に鎮静剤を投与する工程が加わりますが、そこで大きく時間を取られることはありませんでした。
検査中の記憶|痛みはゼロだった
検査中の記憶は、ほとんどありません。
うっすらと、先生とスタッフの会話や、モニターに映し出される映像を一瞬だけ意識した記憶はあります。
ただ、それも本当に断片的で、ほぼ意識がない状態で検査が進んでいきました。
そして肝心の痛みですが、痛みを感じたり、不快に思ったりということは、まったくありませんでした。
腸に空気を入れる感覚も、カメラが入ってくる違和感も、私の記憶には一切残っていません。
検査後の張り・違和感もなかった
大腸内視鏡では検査後にお腹が張りやすい、と聞いていたので身構えていたのですが、これも杞憂でした。
目が覚めてから、お腹の張りや違和感はまったくなし。
ガスが出るまでお腹が苦しい、といったこともありませんでした。
鎮静剤の効果が完全には抜けきっておらず、少しボーッとした感覚はありましたが、痛みでつらいということは、検査直後から帰宅後まで一度もありませんでした。
一連の流れで、唯一痛かったのは「初診の触診」
検査にまつわる一連の流れを振り返って、唯一「痛い」と感じたのは、実は検査本体ではありません。
初診のときの触診です。
ここだけは麻酔も鎮静剤も使わないので、症状によっては痛みが出ることがあります。
私も、内部に触れられたときに鈍い痛みを感じました。
ただ、その診察も原因を突き止めて治療するために必要な工程ですし、ここさえ乗り切れば、その先の道筋が見えてきます。
逆に言えば、痛みらしい痛みはそこだけで、内視鏡検査そのものは鎮静剤のおかげでまったくつらい記憶がありません。
鎮静剤あり/なし、どう選ぶか
受けてみて、鎮静剤ありにして良かったと思っています。
私は鎮静剤なしで受けたことがないので単純な比較はできませんが、特別な理由がないのであれば、「気づいたら終わっていた」状態にできる鎮静剤ありをおすすめしたいです。
ただし、鎮静剤にはひとつ明確な注意点があります。
検査後しばらくはぼんやりするため、帰りの車や自転車の運転がNGになることです。
私も事前にそう言われて、徒歩と電車で帰宅したのですが、実際に帰り道はぼんやりしていたので、この指示は間違いないと実感しました。
事故につながる可能性があるので、車や自転車では絶対に行かないようにしてください。
鎮静剤を選ぶなら、当日の交通手段は最初から電車や徒歩、家族の送迎などで考えておくのが安全です。
結局、大腸内視鏡は痛いのか
検査前の自分に、そして同じ不安を抱える方に、一言で伝えるならこうです。
鎮静剤ありの検査なら、「痛み」の不安を感じる必要はまったくありませんでした。
もちろん個人差はあると思うので、不安なことは病院のスタッフに遠慮なく相談してみてください。
ただ、「痛いのが怖くて検査をためらっている」のだとしたら、その一点については、安心して大丈夫だと私は思います。
1回目は残渣で再検査になった話|原因と2回目で改善したこと
ここまで何度か「やり直しになった」と書いてきました。
いよいよ、その話をします。
1回目の検査は、残渣が原因で中止。私は同じ食事制限と下剤を、もう一度繰り返すことになりました。
なぜ失敗したのか、そして2回目で何を変えたのか。
同じ状況の方のために、できるだけ具体的に残しておきます。
「残渣が多くて検査ができなかった」
検査後、先生から告げられたのは「残渣が多いため、検査が想定通り行えなかった」という結論でした。
説明は、実際にカメラで撮影された画像付きでした。
モニターに映る自分の腸には、川のように残渣が伸びていて、これでは腸壁を完全にチェックすることはできないな、と素人目にも分かりました。
残渣というのは、要するに食べ物が消化されて便になる途中のもので、茶色い泥のような状態です。
これをすべて出し切って検査しやすくするのが下剤の目的だったのですが、私の場合はうまくいかなかったわけです。
結果として、カメラは腸の入り口付近(S字結腸のあたりでしょうか)まで進めたところで、検査中止となりました。
正直、落胆しました。
早く治療して生活を元に戻したいと思っていたのに、状況が足踏みになってしまった。
食事制限も下剤も、また一からやり直しかと思うと、憂鬱な気持ちになったのも事実です。
それでも、落ち込んでいても状況は変わりません。
先生と相談し、再度検査を受ける方向で合意しました。
自分なりに考えた「失敗の原因」
先生やスタッフからは、原因について特に踏み込んだ説明はありませんでした。
こちらから「なぜうまくいかなかったのか」と尋ねても、「個人の体質によって残渣が出づらいことがある」という説明にとどまりました。
ただ、次回は食事制限の開始を早め、検査食も2日前から始めたほうがいい、と案内を受けたので、残渣が残りやすい要素をできるだけ減らそう、という考えだったのだと思います。
ここからは医学的な根拠のない、あくまで私個人の想像です。
帰宅してから気づいたのですが、そもそも前日夜の下剤によって、前日までの食事をできる限り体から出し切る必要があったはずです。
ところが私の場合、前日の下剤を飲んで就寝し、朝起きてクリニックに向かうまでにトイレに行ったのは、朝の1回だけ。
しかも大した量は出ませんでした。
つまり、下剤本来の効果を活かせていなかったのではないか、と推測しています。
ではなぜ効果が出なかったのか。おそらく「水分を十分に取らなかった」ことが原因だと考えています。
前日の下剤であるマグコロールは、腸の中に体の水分を引き込むことで便を柔らかくし、かさを増やして腸を刺激し、排便を促す薬です。つまり、たくさんの水が必要になる。
ところが前日を思い返すと、私は大した水分を取っていませんでした。
繰り返しますが、これはあくまで素人の推測です。
それでも、ここが大きかったのではないかと、自分では考えています。
2回目の段取り|費用も有休も、もう一度
再検査は、3月31日(火)になりました。
当然、もう一度、有給休暇を取得することになります。
費用についても正直に書いておくと、当然ながら2回分かかりました。
ここは甘んじて受け止めるしかありません。
ただ、再検査までの気持ちは、1回目ほど重くはありませんでした。
もちろん「また下剤か」という憂鬱さはありましたが、検査までの一連の流れを1回目で理解できていたので、あの最初の不安感はもうなかったのです。
2回目で変えたこと(これが一番伝えたい)
ここが、同じ状況の方に一番伝えたい部分です。
2回目で変えたのは、主に次の点でした。
食事制限は、内容そのものは同じですが、開始時期を早めました。
クリニックの案内で、食事制限は7日前から、検査食は2日前から始めることになりました。
そして、1回目の失敗原因だと考えた「水分」を徹底しました。
前日下剤を飲んだ後は、30分に1回はコップ一杯の水を飲むことを意識し、確実に下剤を効かせようと考えました。
当日クリニックに持参する水も、量を倍の2リットルに増やしました。
さらに、体を動かす時間も多めに取りました。
心強かったのは、スタッフの方が「もし下剤の効きが悪かったら、追加しましょう」と言ってくれたことです。
聞けばアドバイスもくれるので、1回目のように一人で焦ることはありませんでした。
2回目は、劇的に改善した
結果から言うと、2回目は1回目と比べて劇的に改善されました。
まず、朝の時点でしっかりと排便がありました。
クリニックに到着してからも、排便のたびに便の色が薄まっていくのが分かります。
1回目とは、下剤の効き方も排便の進み方も、明らかに違いました。
とはいえ、「これで完璧だ」と思えたわけではありません。
やはり残渣が完全に抜けきらないまま時間が過ぎていったので、心から大丈夫だと思える瞬間はありませんでした。
ただ、スタッフの方から「このくらいの状態なら、検査のときは大丈夫」と優しく声をかけてもらえたおかげで、少し安心して検査に臨むことができました。
残渣で再検査になる人へ
最後に、同じように残渣で再検査になった方、なりそうで不安な方へ。
調べた限り、1回で確実に終わらせるために個人ができることは、実はそれほど多くないようです。
だから「再検査になるかも」と不安になりすぎる必要はありません。
スタッフの説明通りに、しっかり下剤を飲めば大丈夫です。
ただ、こればかりは個人差もあります。
もし再検査になってしまっても、「同じ境遇のやつがここにもいたな」と思い出して、どうか気楽に構えてください。
2回目はきっと、1回目よりずっと落ち着いて臨めるはずです。
検査結果|大腸は健康。出血の正体は内痔核(いぼ痔)だった
2回の検査を経て、ようやく結果を聞く日が来ました。
2ヶ月以上ずっと抱えてきた不安に、ここで決着がつきます。
結論から言えば、私の大腸は健康そのものでした。
「所見なし。きれいですよ」
検査後、先生はカメラで撮影した腸の画像を見せながら、説明してくれました。
特に所見はなく、きれいだとのこと。
画像を一枚ずつ、「ここは大腸」「この部分は小腸」と丁寧に解説してもらいました。
見せられた腸の画像は、見事なピンク色で、本当にきれいでした。ポリープなども、現時点ではなし。
この瞬間の気持ちは、やはり安堵が一番大きかったです。
しばらく「命に関わる状態かもしれない」と考えていたので、少なくとも腸は健康そのものだと聞いて、肩の荷がだいぶ降りました。
そして安心した途端、朝から何も食べていないことによる猛烈な空腹が、一気に押し寄せてきたのを覚えています。
印象的だったのは、説明の最後です。
こちらから思わず「今夜は何でも食べていいんですか?」と聞くと、先生とスタッフの方が笑いながら「なんでも食べて大丈夫ですよ」と言ってくれました。
この何気ないやり取りで、ようやく自分の緊張が解けたのを実感しました。
あれだけ不安だったのに、という気持ちは、不思議とありませんでした。
いい意味で裏切られたので、不安に思っていたこと自体に後悔はありません。
自分の体の状態が分からない時点での感情や行動としては、妥当だったと思っています。
出血の正体は、内痔核(いぼ痔)だった
そして、肝心の出血の原因です。
検査で腸を見ていく中で、カメラに内痔核――いわゆる、肛門の中にできるタイプのいぼ痔――が映っていました。先生からは、この痔が出血の原因だろう、と説明を受けました。
内痔核については、当日の検査で「おそらくこれだろう」という説明を受けたあと、後日の診察で改めて先生が視診・触診を行い、痔だと確定しました。
先生いわく、「見るからに血が出そうな痔があるね」とのこと。
図解でよく見るようないぼ痔が、肛門の中にあったようです。
そもそも私は「痔の可能性が高いだろう」と考えて最初の診察に向かったので、まわりまわって痔という結論に落ち着いたことに、特に驚きはありませんでした。
子供の頃からの出血と、生活習慣
ここで、ひとつ思い当たることがありました。
私は子供の頃から、排便時に軽い出血をすることがありました。
今回いろいろ調べて分かったのですが、私には昔から、排便時にお尻に力を入れる癖があったのです。
自分にとっては子供の頃からの当たり前の感覚だったのですが、これが痔のできやすくなる原因のひとつでした。
加えて、生活習慣の問題もありました。
在宅ワーク中心で座っている時間が長く、クッションも敷いていなかったので、肛門付近がうっ血しやすい環境だったのです。
つまり今回の内痔核は、これまでの生活習慣が積み重なって生まれた症状なのだろう、と考えています。
子供の頃からの出血は、ずっと「体質」だと思っていました。
でも実際は、ずっと前から続いていた生活習慣のサインだったのかもしれません。
もっと早く診てもらえばよかった
今回は癌が見つかったわけではありません。
それでも、振り返って思うのは「もっと早く診てもらえばよかった」ということです。
たとえ痔であっても、出血のような気になる症状が初めて出た時点で診てもらっていれば、もっと早く対処できました。
痔であること、その状態、原因になりそうな生活習慣が分かれば、対策は明確に立てられます。
実際、痔だと分かってからは、処方された薬を飲み、自宅の椅子にクッションを追加し、排便時にできるだけ力まないよう工夫しました。
すると、症状はとても緩和されたのです。
早く気づいていればいるほど、この快適な状態に早くたどり着けていたわけで、やはり気になったらすぐ診察を受けるべきだったと思います。
放置していた自分へ
結果的に大腸は健康でしたが、もしこれが悪いものだったら、放置は本当に危なかったと思っています。
大腸がんは、自覚症状が出ないまま進行することが多いそうです。だからこそ、同世代の方には一度、内視鏡検査を受けてみてほしい。
どんな結果であっても、「あのとき受けておいてよかった」と思えるはずです。
12月の最初の出血で、すぐに受診しなかったこと。
当時の判断を責めることはできませんが、もし過去の自分にアドバイスできるなら、「できる限り早く検査を受けろ」と促すと思います。
家族には、結果を待たずに話していた
最後に、家族のことを。
当初は「原因が判明するまで家族には伏せる」と決めていました。
でも実際には、1回目の検査が失敗に終わった時点で、家族に話していました。
理由はいくつかあります。自分自身がこの状況にすっかり慣れて、冷静に説明できるようになっていたこと。
そして、再検査までのあいだに一緒に食事をする機会があり、食事制限をしていることを説明する必要があったことです。
そして再検査の結果を伝えたところ、家族も安心してくれました。
一人で抱え込むと決めていた最初の頃を思うと、結果を一緒に喜べる相手がいることは、やはりありがたいものでした。
大腸内視鏡を受けて変わったこと|30代男の生活アップデート
検査を終えて原因が分かってからは、生活がいくつか変わりました。
ここでは、内痔核とどう付き合い、何を変えたのかを具体的に書いておきます。
同じようにデスクワーク中心で、お尻のトラブルを抱える方の参考になれば幸いです。
処方された薬と、症状の変化
私が処方されたのは、酸化マグネシウム、ヘモナーゼ、ヘモポリゾン軟膏の3つでした。
酸化マグネシウムは便を柔らかくする薬で、効果はすぐに出ました。
便が柔らかくなることで、排便時の負担が減ります。
残りの2つは痔の出血や症状を抑えるもので、こちらは1週間ほどで、排便時の出血や腫れている感覚がなくなっていきました。
今も継続的に診察を受けながら、しばらくは薬で様子を見ている段階です。
完治というより、上手に付き合っていくフェーズ、という感覚でしょうか。
なお、処方される薬は症状や体質によって変わるので、これはあくまで「私の場合」として読んでもらえればと思います。
椅子・トイレ・姿勢|変えた生活習慣
薬と並んで効果を感じたのが、生活習慣の見直しです。
私が実際に変えたことを挙げていきます。
まず、椅子のクッション。
真ん中に穴が開いているタイプのクッションを、普段仕事で使っている椅子の上に乗せました。
これだけで、お尻の負担が劇的に減りました。
在宅ワークで座りっぱなしの方には、特におすすめしたいです。
次に、排便のしかた。
本当に我慢できないような便意が来たときだけトイレに行き、「ちょっと気になるな」くらいのときは無理に出しに行かないようにしました。
そしてトイレでは、和式に近い姿勢を意識しています。
膝の位置を高くするための台を購入し、いきまずに自然と便が出てくるのを待つイメージです。
力まないことが、痔には大事なのだと実感しました。
座りっぱなし対策としては、ときどき立ち上がって体を伸ばすようにしています。
水分も意識的に取るようにしました。
酸化マグネシウムを飲んでいるうちは便が固くなりにくいのですが、それでも水分は多めを心がけています。
その他、食事自体は検査前の制限をやめ、普通の内容に戻しています。
あとは、湯船にしっかりつかってお尻を温めることも習慣にしています。
症状はどう変わったか
これらの対策で、出血は起きなくなり、排便のしづらさも改善されました。
ただ、正直に書くと、油断は禁物でした。
薬を切らしたり、長時間電車で座り続けたりすると、てきめんに痔が悪化するのが分かります。
やはり、生活習慣と地続きの症状なのだと感じています。
気分の面でも、変化がありました。
仮にまた出血したとしても、それが命に関わるものではないと分かっている。
それだけで、ずいぶん気楽になりました。
大腸内視鏡を受けて、一番良かったこと
受けてみて一番良かったのは、自分の体の状態を正確に知れたことです。
理由の分からない出血に怯えることがなくなり、対処法も明確になった。
悩みの種がひとつ減ったというのは、思った以上に大きなことでした。
検査を迷っている同世代の方に、一番伝えたいのはこれです。
早く検査に踏み出せるほど、より良い未来が待っているはずだ、ということ。
検査を遅らせて良いことは、基本的にないと思います。
もちろん、この記事に書いてきた通り、大変なことが一切ないわけではありません。
それでも、迷っているならぜひ受けてほしいです。
「当たり前」を疑うようになった
今回のことで、健康への意識も変わりました。
自分にとって当たり前だった生活習慣が、実は健康に影響を与えていたかもしれない――。
そう考えるようになり、いろいろと見直すきっかけになりました。
排便時に力む癖も、座りっぱなしの環境も、自分では何とも思っていなかったのですから。
今後についても、ひとつ決めていることがあります。
出血の原因を「どうせ痔だろう」と決めつけやすい今の状態は、裏を返せば、将来新しくポリープができたときに、それを見逃す隠れ蓑になってしまうかもしれない。
だからこそ、特に気になる症状がなくても、何年かしたらまた検査を受けるつもりです。
これから書いていきたいこと
痔に限らず、自分の生活習慣の「当たり前」を疑って、ほかの人がどう健康を意識しているのかを調べていきたいと思っています。
食生活、検査、運動などなど――。
何か興味深いテーマがあれば、またこのブログで記事にしていくつもりです。
最後に
長い記事にもかかわらず、ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
お尻からの出血は、周りの人に相談しづらく、それでいて情報はほしい――そんな症状だと思います。
だからこそ、今回自分に起きたことを、できる限り正直に書き連ねてみました。
何も分からず不安を抱えている方にとって、この記事が少しでも具体的な情報になり、安心材料になれたなら幸いです。


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